セブ島通信 Vol.160 2017年09月号へ戻る

女37歳 セブ島で楽しく明るい貧乏生活

JUNKO

日本で私は典型的な「自分磨きに時間とお金をかける30代独身女性」でした。公務員の仕事は5時15分に終了し、勤続3年間1時間も残業をしたことがなく、土日祝日はお休みなうえに、有給は必ず消化していました。そうなると仕事以外の時間がとても長く、30代独身女性は暇を持て余し「自分磨き」に走ってしまうのです。たくさんの習い事に旅行、最終的には美容関係に時間とお金をかけていました。 ところが現在、どうでしょうか?長年続けていた習い事をすべてやめて、あれほど好きだった旅行は一度も行っていません。美容?その言葉の意味すら忘れてしまいました。そんな中でも昔から大好きで時間とお金をかけていたことを最近再開しました。それはガーデニングです。私は日本にいるころから、庭いじりが大好きで、人の家の庭まで草むしりをしてお花を植えていました。その趣味が高じて、東日本大震災後の被災地に3,000鉢以上のプランターとお花を持って行ってみたり、現在も津波で破壊されてしまった松林の再生プロジェクトを行ったりもしています。 そんな風に遠く離れた人様の土地の緑化を進めていながら、実は最近まで自分の事務所や自宅の緑化に時間を費やすことができていませんでした。言い訳はたくさんありますが、要するにジャングル化した土地を1から開拓する手間が面倒だったのです。しかし、汚い場所はいくら少しだけ片づけてもまたすぐに汚くなります。ちょっと片づけては汚され、またちょっと片づけては汚さの繰り返しをしていく中で、一念発起、大掃除を行うことにしました。思い立ったらすぐ行動、周囲を巻き込んで突き進む私は、周囲に大迷惑をかけながら、事務所と自宅周辺の緑化計画をスタートしました。 まず汚れに汚れ、草の生い茂った場所をお庭にするまでには相当な労力が必要です。中でも私を苦しめるのが「赤アリ」です。これが非常に不思議なのですが、フィリピン人と一緒に作業をしていてもいつも刺されるのは私だけです。フィリピン人は素手でサンダル履きでも刺されないのに、私は厳重に手袋をしようがスニーカーを履こうが、絶対に刺さされます。そして、刺されると蚊に刺された何倍もはれ上がり、非常に痛痒く、跡に残ります。最終的にはフィリピン人の助けを借りて、何とか土地を開拓した後、次に必要になるのが、植物です。 「植物は植物園で買うのが当たり前」と思っていた私は、当初は街の中の植物園でお花の苗や観葉植物を購入しました。植物園の植物はフィリピンの物価からするとかなり高額です。これでは広大な庭を緑で埋め尽くすには膨大な金額がかかります。悩んでいる私を救ってくれたのは子供たちのお母さんたちでした。それぞれの家にある挿し木可能な植物をたくさん持ってきてくれました。そして、日本人のお知合い宅からもたくさんの植物を頂くことができました。フィリピンの植物は挿し木ができるものが非常に多く、摘んで土に植えればどんどん増えていきます。その生命力には本当に感心させられます。そんなこんなで、ほとんどお金をかけず、素晴らしいお庭を造ることができました。緑一杯のお庭は今ではみんなの癒しであり、仕事の合間の草取りは私にとって、とてもいいストレス解消法になっています。 お金があれば「自分磨き」のために、たくさんのことができます。しかし、それらのほとんどが自分自身のためだけのもので、人を幸せにすることはできません。ここセブでは、お金をかけなくても誰かがいい方法を提案してくれます。一人で何かをしていると必ず誰かが一緒に手伝ってくれます。みんなでワイワイ知恵を出し合って、助け合って行う作業は、お金をかけて一人で楽しむ「自分磨き」よりも何倍も楽しく、さらに自分自身を磨けているように思います。  

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