セブ島通信 Vol.161 2017年11月号へ戻る

セブ日本人会主催「企業見学会」

セブ日本人会副会長 藤岡頼光

10月3日に常石造船さんの進水式を見学させて頂きました。セブ日本人会が主催する企業見学が行われたのです。30名近くの会員さんが参加したイベントでした。 今回は3万5000トンの船の進水式だったのですが大迫力でした。常石造船さんにとっては小型の部類に入るというのですからスケールの大きさがけた違いです。セブを代表する日系企業を見学できとても有意義なイベントだったと思います。 【常石造船さんとは】 常石造船さんの歴史は古いです。1903年(明治36年)に神原勝太郎氏が広島県福山市常石に造船所を作ったことが始まりです。現在では日本の広島県やフィリピンのセブだけでなく中国浙江省や南米パラグアイにも生産拠点があります。 その中でもセブのバランバンにあるTSUNEISHI HEAVY INDUSTRIES, Inc.さんはグループの主力工場になっています。アジアに向けた生産工場のマザー工場の役割を担っているそうです。 現在は船を作るドックを3基と修繕用のドックを1基持ち年間20隻の船を作っています。3~18万トン級の船を最大30隻作れる建造能力だそうです。 【造船大国日本】 昔は造船と言えば日本でした。長い間世界世界一の造船大国だったのですが最近は韓国、中国に抜かれて3位に甘んじています。しかし、技術力ではいまだに他の追随を許さないダントツの1位なのです。常石造船さんのフィリピン工場は日本品質の船を安く作れるので人気があります。 【セブに工場を作った6つの理由】 1:安い労働コスト 2:日本からのアクセスが良い 3:教育水準が高い 4:自然災害が少ない 5:キリスト教徒で穏やか 6:よいパートナー企業がいる 以上の利点を生かし現在では常石造船グループ全体の4割の船をセブで作るまでになっているそうです。 【世界第4位の造船国】 じつは、じつは、あまり知られていませんがフィリピンは世界大4位の造船国なのです。そしてフィリピンで作られる大型船舶の半分は常石造船さんのセブ島工場から作られています。常石造船さんのフィリピンへの貢献は計り知れません。 【長期的な視点で町ごと作る】 常石造船さんの凄いところは地元への貢献です。今から20年前の1994年にセブに進出してきてから、今では1万人の雇用を生んでいるセブ島を代表する企業になっています。そして、1万人の雇用を生んでいるだけでなく町に学校を建てたり、街の生活に欠かせないマーケットを作ったり、はては病院を寄付したりしているのです。 【企業見学会】 セブ日本人会では定期的にセブで活躍する企業の見学会を行っています。前回は太平洋セメントさんにお伺いをさせて頂きました。今回は常石造船さんです。 朝7時にセブ日本人会事務所がある市内を出てバスと車2台に分かれて向かいました。9時半ごろ到着して常石造船さんの説明を受け進水式を見学させて頂きました。 【盛大なセレモニー】 進水式の前にセレモニーがありました。地元の小学生によるダンスと、楽器演奏です。小雨が降る中でしたが一糸乱れぬ演技には船主さんも感動したと思います。たぶんお父さん、お母さんもこの工場で働いているのでしょう。地元企業を誇りに思っているように感じました。 【進水式】 直前まで晴れていたのですが、進水式は雨の中開始されました。私たち見学者はテントの中から見守ります。大迫力のイベントです。常石造船さん曰く小さな船ですが35000トンと言うと20階建てのビルが横たわっているようなものです。まじかで見ていたので凄かったです。 合図とともにくす玉が割られました。紙吹雪が舞う中、音楽が流れ、船がゆっくりと動き出します。感動のイチシーンです。船が海に滑り出し無事に進水式は終わりました。 【工場見学】 進水式の後は工場見学が行われました。写真撮影は禁止でしたがたくさんの船を同時進行で作るシステムは凄かったです。船は下からいっぺんに作っていくと思っていたら違いました。ブロックごとに作られ、最終的にすべてをつなげて一つの船になるのです。敷地のあらゆるところで船のパーツが作られています。それぞれのパーツがビルのように大きいので大迫力でした。 【美味しい日本食】 工場見学の後、昼食をとらせて頂きました。社員寮と仰っていましたがホテルのように素晴らしい施設での食事です。日本人のスタッフが多いので社員寮の食事は日本食が食べられます。ここはフィリピンなのかと思うほど美味しい日本食です。昼食を食べただけでも価値があったと思います。 【学校見学】 食事の後、工場を後にして常石造船さんが建物を寄付した学校を見学させて頂きました。サン・ホセ大学附属の幼稚園から高校までの学校です。セブには珍しいくらい施設が整った学校でした。今ではここを卒業した学生が常石造船さんで働いています。教育から就職までサポートしているのですからスケールが違いました。 【市場の見学】 最後は常石造船さんが建物を提供した地元の市場を見せて頂きました。市場は生活で欠かせない施設です。地元の人たちでにぎわっていました。 【まとめ】 今回セブ日本人会が主催する企業見学会に参加させていただきとても感動しました。 日系企業がフィリピンに溶け込み、フィリピンに貢献し、フィリピン人に愛されているのです。常石造船さんの地元への密着度の高さは凄かったです。セブ島にこのような企業があることが同じ日本人として嬉しく、そして誇らしく思えました。 末筆ながら、この場をお借りして企業見学会を快く迎え入れて頂いた常石造船さんの皆様に感謝します。 ありがとうございました。

Thumb dsc06144

Thumb dsc06154

Thumb dsc06145

セブ島通信 Vol.161 2017年11月号へ戻る