セブ島通信 Vol.161 2017年11月号へ戻る

女37歳 セブ島で楽しく明るい貧乏生活

JUNKO

今回は、貧乏ネタではなく感動ネタをお届けしたいと思います。セブで生活していると「財布をすられた」「携帯を盗まれた」など、物騒な話をよく耳にします。つい先日もDAREDEMO HEROのインターン生が、乗りなれたジプニーで、チャックの閉まったリュックの中から携帯と財布を盗まれました。そんなことが続くと、ついつい「人を見たら泥棒と思え」的な思考が身についてしまい、常に周囲を警戒してしまいます。皆さんもご存知の通り、フィリピン人はとても人懐っこく、やたらと笑いかけてきたり、話しかけてきたりします。その多くが悪意はなく、単に日本好きのおじさんだったり、無邪気に遊んでほしい子どもだったりするのです。しかし、100人中1人悪い人がいるだけで「フィリピンは危ない」「知らない人が近づいてきたら警戒しなさい」となってしまうのです。本当に残念に思います。  そんなことを日々思って生活していたある日、事件は起きました。その日、私は深夜の空港ピックアップがあり、ドライバーと事務所で待ち合わせをしていました。しかし、待てど暮らせど姿を見せず、電話にも出ない。これはフィリピンでよくあることなので、そんなことで怒ったりはしません。気持ちを切り替え、タクシーで空港に向かうことにしました。フィリピンのタクシーは安くて便利ですが、疲れている時にはあまり乗りたくありません。なぜなら日本ではありえない、困った運転手さんが多いからです。初めからぼったくろうと必死に交渉してくる人、ビサヤ語のラジオを大音量で流して大声で歌う人、やたらと話しかけてくる人、お腹が空いたからといってコンビニでスナックを食べてしまう人。元気な時はいいのですが、夜中の空港ピックアップでは、そんな運転手には当たりたくありません。 そのとき乗った運転手さんは幸いにも大当たりでした。まるで日本の運転手のごとく、行き先だけを聞いてそのあとは黙々と運転。快適な車内を満喫しているところで、突然運転手さんが話しかけてきました。「Are you a Japanese?」「Yes.」と答えると、おもむろにiPhoneを取り出し「さっき乗せた日本人が忘れて行ったんだ。持ち主に返してくれないかい?」同じ日本人といえども、セブには留学生を含めて相当数の日本人がいます。iPhoneケースの中に大学の学生証が入っていたのですが、それだけでは落とし主が、観光客なのか留学生なのか分かりません。しかもA.S.Fortunaの道端で乗せてAYALAで降ろしたという情報からでは宿泊先も分かりません。どうしようかと悩んでいたところ、運転手が「僕の会社の社長は日本人で、親切だから日本人が困っていたら助けたい。だから持ち主を探してくれ」と言われてしまいました。そこまで言われて、断るわけにはいきません。預かったiPhoneと、ドライバーさんの連絡先をもらい、私はタクシーを降りました。 そこからiPhoneケースの中を探り、見つけたのがあるホテルのWi-Fiパスワード。それを頼りにホテルに電話をしてみると、学生証の名前の人は宿泊していないが、近くの語学学校のスタッフで、よくWi-Fiを使いに来る人かもしれないということが判明。そこからはセブ日本人会のネットワークを使い、語学学校に連絡し、あっという間に落とし主にたどり着きました。落とし主はもう戻ってこないと諦めていたようで、本当に喜んでいました。 今回の出来事で、自分の中で強く感じたことは、海外で生活する中で自分は日本人代表であり『私の行動がこれからこの地を訪れる日本人に影響を与える』ということです。今回も、運転手さんは自分の会社の社長が日本人で、親切な人だったため日本人に親切にしてくれました。もちろん逆のパターンも起こりうるはずです。自分の行動で、一人でも多くのフィリピン人が「昔日本人に親切にされたから」と日本人に親切にしてくれるように、日々生活していこうと改めて思いました。

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