セブ島通信 Vol.162 2018年01月号へ戻る

フィリピンでのそろばん教育の可能性について

IPPO Japanese Math School 代表 鵜飼明

セブ日本人会の皆さま、新年明けましておめでとうございます。 セブでそろばん教室を運営している鵜飼明と申します。2016年12月に「IPPO Japanese Math School(=以下IPPO)」をバナワ地区に開校しました。現在近くの学校やNPOセブンスピリットさんでのそろばん指導なども行なっています。またJセンター近くの語学学校様スペースを借りて日曜そろばんクラスなども運営しています。 今回私がこの国でそろばん教育を普及させたい理由や意義、そしてフィリピン教育事情などにも触れながら簡単にお話をさせていただければと思います。 【そろばん教育でフィリピン人の子ども達の「地頭」を鍛えたい】 「地頭」とは、考え抜く力や論理的思考能力、数字への強さですが、この能力がフィリピンの方々は少し弱いように感じます。しかし、地頭は小さいうちから鍛えることができます。そろばん計算は瞬時の判断の連続です。級位が上がれば難度も上がりますので集中しなければ時間内に終わることが難しい、結果として計算力だけでなく、集中力、記憶力、正確性、忍耐力、判断力を高め、地頭を鍛え抜くことができます。そろばんは今やアナログな物かもしれませんが、教育用具としてみるとその価値はまだまだ高いと思います。 【多言語社会を襲うダブルリミテッド現象】 ダブルリミテッドとは、2つの言語、双方とも年齢相応のレベルに達していない状態のことを指します。詳しいことはネット等で調べてみると良いかもしれません。以下簡単にまとめてみましたので参考まで。 ・母国語以上に第二言語は発達しない。母国語をしっかり学ぶこと。 ・生後から8-10歳の頃までに言語中枢機能が完成するので、それまでに母国語をしっかりとやること。 ・思考、考察、理解のために一つの言語を高度なレベルにすること。 フィリピン人の計算力や基礎学力が低い理由、それは幼少期より複数の言語(英語+フィリピン語+ビサヤ語などの地方言語)を浴び続ける環境が大きく関係しているからなのかもしれません。それを考慮してかフィリピン人富裕層では子どもに英語しか喋らせない家庭もあります。以前インドネシアで生活していましたが、 共通語はバハサ・インドネシア、地方言語はジャワ語、スンダ語、バリ語などでやはり多言語社会でした。ちなみにフィリピンとインドネシアはASEANで理数系科目は共に最低レベルです。逆にアメリカやイギリス、欧米諸国は一部方言も見られますが、基本的には一つの言語を使っている気がします。先進国や途上国の違いはこういった言語問題なども関係しているのかもしれない、というのが持論です。 日本の場合も、日本語で大学教育まで受けることができ、一貫した母国語の能力が高いと言えるでしょう 。それこそが日本の強みだと思います。(デメリットとしてカタカナ発音のせいで外国語の習得が難しいなども忘れてはなりませんが!) 【フィリピンでのそろばん教育の可能性】 フィリピン人は論理的思考などに関係する左脳が弱いと言われています。逆に右脳は音楽や芸術などに使いますのでフィリピン人は右脳型だといえるでしょう。そろばん式暗算はそろばんの珠を思い浮かべるので、実は想像力豊かなフィリピン人にとってそろばん式暗算は優れた適性があるかもしれないのです。またそろばんを習うことによって集中力や忍耐強さ、正確性などを鍛えることができます。こういった能力は幼少期に身につけておくと大人になって苦労しないかもしれません。 【終わりに】 フィリピンは人口1億人を突破し、外国投資も急速に進んでいますが、まだまだ雇用が足りず格差が依然問題になっています。この国が健全な経済発展を遂げるには、フィリピン人自身による産業振興が一番大切なことなのではないかと思います。産業が増えれば、より多くの人が働くことができ、定期的な収入を得ることができます。今後も労働人口がどんどん増え続けるのは目に見えています。 将来への投資として、「そろばん」を使ってフィリピンの子どもたちの地頭を鍛え、将来の産業育成に必要な「数字への強さ」を養ってもらいたいと考えています。 フィリピン人が高い英語力に加え、さらに数字にも強くなったら、と思ったらワクワクしませんか。世界や日本にとって驚異の国となること間違いないですよね。私はそんな未来を想像しながらこの国でそろばんを広める活動をしています。 *IPPOでは日本人のお子様も受け入れておりますので、そろばんを習わせたいという方は私、鵜飼までご連絡どうぞ!0995-975-0824 (IPPO鵜飼まで)

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