セブ島通信 Vol.162 2018年01月号へ戻る

女37歳 セブ島で楽しく明るい貧乏生活

JUNKO

 セブに住んでいる方であれば皆さん感じていることかと思いますが、フィリピンでは突然の休みが多すぎます。先日の台風による休校などはまだ理解ができますが、最近では大司教の逝去に伴う休日とジプニーのストライキに伴う休日が続きました。私は日本において大学の授業が突然休講になることが、たまにありましたが、国全体の休日が突然決まることは経験したことがありません。衣食住において、少しずつフィリピン人化している私でも、この突然の休日にはいつも悩まされます。  私の所属するボランティア団体DAREDEMO HEROでは、毎日40人の昼食を作っています。少しでも食費を減らすために、1週間のメニューを事前に決めて、それに必要な食材を少しでも安いところで購入しています。しかし、突然2日間も休みになってしまうと、食材の鮮度が落ちてしまいます。運動会の前日、豪華なお重弁当を作る仕込みをしたにも関わらず、当日の朝、雨で中止になったときの衝撃に近いものがあります。何とか無駄にならないように工夫はしますが、なんだか腑に落ちない気持ちは残ります。  また、フィリピンが突然休日になろうが、セブでストが起きようが、日本からお越しになる方のスケジュールは予定通りに進んでいきます。訪問予定の学校が休校になってしまったり、必要な行政手続きが出来なかったり、どうにもならないことがたくさん起こります。日本人である私はフィリピン人に比べ、この「どうにもならない状況」に対する適応力の低さを日々感じています。  これは、フィリピン人が「どうにもならない状況」を解決する力があるということではありません。フィリピン人は「どうにもならない状況」で『解決法』を考えるのではなく、それを受入れて『楽しむ方法』を見つけます。例えば、ショッピングモールで突然停電になり、あたりが真っ暗になったとき、日本であればスタッフは慌てて復旧に取り掛かり、お客さんはクレームを言い始めます。ここフィリピンでは、店員もお客さんもキャーキャー歓声を上げて、とりあえず自撮りをします。道路が冠水すると、私は道が通れずに約束の時間に間に合わないことを心配して、イライラします。フィリピン人は自宅からゴムボートを持ち出して遊んだり、自撮りをしたりして楽しみます。  突然の休みでも状況は同じです。予定されていたスケジュールをこなせないことを心配し、慌てる私を横目に、フィリピン人スタッフは「しょうがないじゃん、休みなんだから」と、どっしりと構えています。「しょうがないじゃないんだ!どうにかしなきゃ!」とさらに慌てる私に「心配するな。リラッ~クス」と何の解決にもつながらないアドバイスをくれます。しかし、冷静に考えると、「どうしようもならない状況は、どうしようもならない」のです。そして、この国にはそんな「どうしようもならない状況」がたくさんあって、その度にイライラしていては人生を無駄にしてしまいます。全てが計画されて予定通りに進むことが当たり前として育った日本人は、フィリピン人のような対応はなかなかできません。適応力の高さで言えば、フィリピン人は世界でもトップクラスなのではないかと思っています。  自分の生活、家族の生活、社会を良くしようと試行錯誤し、努力していくことはもちろん必要なことです。しかし、世の中には自分の力ではどうしようもないことが起こり、それでも私たちは生きて行かなければいけません。そんな時、いかにその状況を受け入れ、明るく前向きに生きていくか、それを私に教えてくれたのは、親でも学校の先生でもなくフィリピン人です。  これからも休日は突然決まり、停電が数時間続きWi-Fiが途切れ、冠水で目的地に到着できないことは続くでしょう。そんな時、フィリピン人に習い、イライラせずにその状況を楽しめるテクニックを少しでも身につけたいと思います。

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