セブ島通信 Vol.163 2018年03月号へ戻る

新会頭のご挨拶

セブ日本人商工会会頭 浅見賢志

今般、セブ日本人商工会会頭に就任いたしました浅見でございます。 私はまだ東日本大震災の余韻が生々しかった2011年4月に当地に赴任致しまして、直後に商工会の推薦理事に就任、以降7年間、フレンドシップや副会頭を担当させて頂きながら、商工会理事を勤めさせて頂いております。 就任当時の商工会理事は全部で15名でしたが、うち10名が入替わっており、その内4名が「後任者の後任者」となっています。勿論企業によって異なりますが、一般的に申し上げまして企業の海外駐在期間は概ね5年±2年位というのが、通り相場ではないかと思います。弊社の日本人駐在員は現在12名ですが、その計算で行きますと、概ね2-3人が毎年入れ替わることになります。事実、昨年は2名離任、2名着任という入れ替わりがありました。 そうした、毎年次の異動、特に新任者の受入に当たって最も気を使うことが、「生活基盤の安定」ということです。日本とは全く異なった異国での、慣れない自身の生活環境、或いは家族の生活環境に、問題や心配事を抱えたままでは、業務に集中することが困難であることは至極当然であり、海外勤務におきましては何よりも生活基盤の安定が最優先課題と考えています。 しかしながら、こうした最も基本的な部分、健康安全な生活であるとか、教育であるとか、一般社会コミュニティーとの関係深化といった部分にあっては、実は商工会自体は、そんなには役に立たない、頼りにならない側面が多々あります。 私は、以前より、海外の日系社会にあっては、商工会はいわば家庭における「旦那さん」のような役回りで、日本人会は「女房役」のようなもんだなあ、とそう思っていました。「旦那さん」は外向きに、やれ現地政府交渉だの、諸規制・税制対策だのと、走り回ってはいますが、実の所、自身の家族や、或いは自身の生活には殆ど、と言いますか概ね関係の無いことばかりやっているのであって、ここの所ばかりは「女房役」の方がはるかに大事であり、影響力があるものと感じています。一般の家庭でもそうですが(我家もそうですが)、大概において女房の方が実は権力者であり、女房がシッカリしていない家庭は、やっぱりおかしくなっちゃうもので、逆に旦那が多少ボンクラでも、我家のように嫁さんがしっかりさえしていれば、家庭は守っていけるものと感じます。また、「旦那さん」と「女房」の関係が悪い所もこりゃまた問題で、それは最早「家庭」というコニュニティーの体をなしていない、ということでもありましょう。 年初の商工会総会でも申し上げたのですが、今、世界の産業界は、IT革命とか、エネルギー革命、EV革命、金融革命、と言われるような大きな変革が起きつつあり、私達企業人は正にその渦中にあります。言ってみれば「旦那さん」は、それなりに頭の痛い宿題に直面して、ヒーコラしている訳ですが、こんな時にこそ、日本人コミュニティーという家庭を守ってくれる日本人会の存在は、これまでにも増して大切であるとしみじみ感じます。 勿論そこには「家庭」内のことだけではなく、時間を掛け、汗をかいて、信頼関係を構築していくという「ご近所付き合い」、フィリピン人社会と日本人社会をつなぐという、全ての日本人活動の基盤となるような大きな役割も担って頂いている訳であり、商工会メンバーの最大の関心事である「今年度の事業損益」や「ビジネス環境」といったものよりも、遥かにスパンの長い、根源的な役回りが、あると感じます。 こうした双方が、出来る限りのことを、キチンとやってこそ、シッカリとした家庭が、日本人社会が築けるのでしょう。そうした日本人社会の発展のために、これまでにも増して中の良い「夫婦」でありたいと思っておりますし、より力強い「女房様」であって欲しいと、心より思います。 引続き今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。ありがとうございました

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