セブ島通信 Vol.164 2018年05月号へ戻る

女37歳 セブ島で楽しく明るい貧乏生活

JUNKO

現在セブは乾季の真っただ中、旅行をするならベストシーズンです。しかしこの時期、油断して傘も持たずに外出していると、突然のスコールに襲われることがあります。そんなとき、日本人とフィリピン人の違いを歴然と感じます。 日本には「雨宿り」という素敵な言葉があります。しかし、実際に日本で雨宿りをしている人はどのくらいいるでしょうか?どんなに豪雨でも、豪雪でも時間通りに出社し、約束の時間に1分でも遅れまいとするのが日本人です。まだ日本で生活していたころ、豪雪で電車のダイヤが乱れた際、駅では「豪雪により、通常ダイヤより3分遅れて運行しております。お急ぎの皆様にはご迷惑をおかけいたしまして大変申し訳ありません」というアナウンスが流れていました。フィリピンではたった数分の遅れは、遅延とも呼べません。しかし日本ではたった数分遅れただけで乗客はクレームを言い、鉄道会社は謝罪をします。 ビサヤ語でも「Pasilongan」「Nagpasilong」「Natanggong」という言葉があり、スコールの際には屋根のある場所で雨がやむのを待つのが一般的です。通常スコールは数分から数十分でやみますが、時には1時間近く振り続けることもあります。それでもフィリピン人は楽しくおしゃべりをしながら雨がやむのを待ちます。 以前お伝えしたように私のお気に入りの移動手段はハバルハバル(バイクタクシー)です。渋滞の心配もなく、時間通りに目的地に到着するにはなんといってもハバルハバルが一番です。しかし、ハバルハバルの唯一の弱点がスコールです。最悪のシナリオは、乗車時には雨が降っていなかったのに、途中でスコールにあい、洋服はもとよりバックやパソコンが濡れた上にドライバーの都合で雨宿りをされ、待ち合わせの時間に遅れるというものです。雨宿り中も「もう仕方がない」と開き直れればいいのですが、まだまだ日本人気質の残る私は「いつまで待たされるんだろう?何分遅れるだろう?」とイライラしながら雨宿りをしてしまいます。一方仕事中であるはずのハバルハバルドライバーは、他の雨宿りをしている見ず知らずの人と楽しそうにおしゃべりをして、焦る様子は全くありません。 この国では雨宿りだけでなく船・バス・飛行機などあらゆる交通機関、さらには銀行・スーパー・役所などなど、いたるところで「Natanggong(待つ)」ことを求められます。待たされることに慣れていない日本人は、ついつい文句を言いがちですが、残念ながら文句を言ったところで何も進みません。それよりも現地の人たちに習い、待つことのプロになったほうが人生を豊かに過ごせるのではないかと最近思っています。  雨のように人間の力ではどうすることもできないことに逆らうことなく、ただ待つこと。そこにはフィリピン人ならではの心のゆとりがあり、豊かさがあるのかもしれません。私たち日本人には、「人生の雨宿り」が必要な時があるのかもしれません。

セブ島通信 Vol.164 2018年05月号へ戻る