セブ島通信 Vol.167 2018年11月号へ戻る

第2回 フィリピン留学の歴史から見る、今後のセブ島観光・留学生の推移予測

斉藤淳

日本人会会員の皆様、こんにちは。理事の斉藤淳です。 フィリピン留学の歴史と今後の可能性を探るシリーズ、第2回目です。 前回のセブ島通信ではグローバル人材の育成の必要性に迫られた韓国人が、フィリピン留学という新しい留学スタイルを確立した事をお伝えしました。 今回はそれを踏まえて、2012年以降の日系語学学校の進出から追っていきたいと思います。 ・2012年〜:日系語学学校の進出 日本資本の語学学校がセブ島に進出し始めてきたのは、2012年からです。 正確ににはそれ以前から小さい学校がマニラやセブにもありましたが、いわゆるボーディングスクールのような形であり、「語学学校」としては私が知る限り、2012年が日系語学学校の元年です。 数校がオープンしました。その中には現在、日系で最大の「QQEnglish」も含まれています。 翌年の2013年には10校〜20校の日系の語学学校がオープン。 よくよく考えてみると、2013年オープンという事は2012年以前から準備を行なっていたわけです。これだけの学校が同じタイミングで水面下で準備を行なっていたのかと、当時は大変驚きました。 日本人留学生が目に見えて増え始めたのも、この2013年付近からです。 2014年ぐらいには韓国人留学生が減っているという話がよく出るようになりました。 韓国経済が低迷した、大統領問題が発生したなど、色々言われていますが、一説ではそもそもフィリピン留学に韓国人が一周してしまったからではないかと言われています。 どういう事かといいますと、韓国人はキッズキャンプが大変盛んで、小さい頃からフィリピン留学を体験しています。すると、彼らが大人になってから再度この地に留学する人は少なくなり、代わりに欧米への留学やワーキングホリデーに行く傾向にあるようです。また、国内での英語教育も更に盛んになったので、大多数の韓国人はそちらにシフトし始めたとも聞いています。 日本も2018年はキッズキャンプの元年とも思えるぐらい、一気に需要が増えました。そのため、彼らが成長した3年〜7年後ぐらいには、同様のシチュエーションになるかもしれません。 ・業界自体が改善し始めた2013年 2013年から韓国資本の語学学校は日本人留学生の増加に伴い、学校自体の改善に迫られました。元々、韓国系の語学学校は一般的に「安かろう、悪かろう」でした。 先生は金曜日になるとサボったり、やる気なかったり、部屋が汚い、WiFiは使えない、食事はまずい(日本人にとって)、病気になっても対応しない、といった不満が出ていたにも関わらず日本人の割合が少なかったのでほぼ放置されてました。 しかしながら、2013年以降に日本人留学生が増え、日本の留学エージェントが力をつけ始めたため、韓国資本の学校も少しずつ良くなっていきます。 昔は学校の違いを説明をする時は、韓国系と比較した日系の語学学校の安全性・サービス・食事内容を強調していればよかったのですが、2018年の今は、日系語学学校よりも良い施設を持つ学校がいくつもありますし、食事や授業内容、講師の質においても日韓では優劣をつけ難くなりました。 ゆえに私は今後、全部が「まあまあ」な学校は、より一層淘汰されていくだろうと思っています。特徴がなければその学校をプッシュする理由がありませんし、大手の語学学校は現在進行形で、どんどん規模を拡大していっているため、「まあまあ」な所に反応する留学生のシェアを奪われる可能性が高いためです。 ・英語+アルファの留学スタイルの確立 2013年後半からは英語留学+その他のスキル習得を含めた留学スタイルが、いくつかの学校から出てくるようになりました。 韓国系に比べて後発だからこそ、出てきたアイディアといえます。 代表例はネクシードのIT留学、アーグスの0円留学です。IT留学は英語を1日6時間〜8時間学ぶ代わりに半分をプログラミング言語習得に当てる留学で、英語を学ぶだけでなくそれをツールとして使ってほしいという狙いがあります。 0円留学は英語学習とコールセンター業務を半々で行います。1日の半分を仕事をしてもらう事で、お金がなくて留学する事が出来ない方にもチャンスを与えています。 現在ではIT留学、0円留学、ダイエット留学、ダイビング留学などバラエティ豊かになり、フィリピン留学の特徴の一つになりつつあります。もし何か皆さんが◯◯留学というアイディアがあれば、ぜひ語学学校に売り込んでみてください!学校側も特徴を出したいと思っているので、ノッてくれるかもしれませんよ。 ・2016年:台湾人を含めたアジア圏留学生の増加 2016年ぐらいから日本人留学生の増加に陰りが見え始めます。減ってはいないが対して増えてもいない。。。。そんな状況になり始めた矢先、急速に伸び始めてきたのが、台湾人留学生です。 日系の語学学校は「ターゲット、3Dアカデミー、IDEA、QQEnglish」などが頑張っていましたが、大部分は韓国人留学生が減り始めた事に危機感を抱いた韓国系の語学学校が、台湾のマーケットを開拓しました。 日系の学校が苦しめられたのは価格です。台湾人の大多数はとにかく安く留学したいとのことで、留学費用をかなり下げる必要がありました。日本と同じ価格で提供するかどうか、語学学校のオーナーは悩んだと思います。 *韓国系の学校の中には各国でバラバラの価格を用意しており(大抵日本が一番高い)、それなのにサービスが同じであることから、日本人留学生の怒りを買ったこともある。 ・2018年:東南アジアからの留学生が増加中 2018年現在、セブ島留学は韓国、日本、台湾が主要でありつつも、ベトナムが急増中です。観光客では中国人が既に日本人を超えているのは、このセブ島通信を読んでいる読者の皆さんはご存知かと思いますが、留学生も増えてきました。中国人に限って言えば、世界の留学事情に詳しい方に聞くと『世界中で中国人の留学生が増えている』とのことです。 その他、タイ、ロシア、中東なども徐々に浸透しつつあります。 それでは今後、フィリピン留学業界はどのようになっていくのでしょうか。セブ島に留学する日本人は増えそうなのでしょうか。また、どんな客層の日本人留学生が増えているのでしょうか。 これらについて、いくつかのデータを見ながら、次回のセブ島通信でお伝えしたいと思います。

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