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セブのご飯

蝶谷正明

豆腐と大根 セブに住んでいると和洋中華、韓国、インド、メキシコ、もちろんフィリピン等世界の料理を居ながらにして堪能できます。しかし、毎日外食では飽きるし、栄養も偏り、更には経済的な負担も大変です。値段的には日本と変わらないか高めですからね。 ですから我家の基本は自炊です。齢を加えるにしたがい子供のころから慣れ親しんだソウルフードである和食にますます回帰していきます。若いころは海外にいればその国その土地のエスニック料理を堪能して、たまには和食も食べたいという程度だったのですが、今では完全に逆転しています。  私にとって和食の自炊に欠かせない素材のNo.1は豆腐です。日本から来る充填豆腐はクリーミーな絹、これは水に放ってしっかり冷やせば最高の冷奴が楽しめます。セブで製造している絹と木綿も日本のスーパーの豆腐と変わりません。冷奴でも鍋ものや味噌汁、マーボー豆腐などなど。マニラから来るものもスーパーで見るようになりました。韓国食材店では硬めの韓国豆腐も売っています。我家ではこれらの豆腐もいただきますが、カントリーモールの裏にある中国人の豆腐屋さんから毎週定期的に買っています。前日に注文しておいて取りに行くと午前中だとまだ温かい。時間が経つと硬くなりますが、この状態だと大豆の匂いがプンプンするどっしりした昔の木綿豆腐を思わせます。スーパーの野菜売り場で売っている中国豆腐は時間も経っている上に水に入っていないのでどうしても硬くなりがちです。 買ってきた豆腐は水に入れ、冷えたら冷蔵庫です。水を毎日替えれば数日は持ちます。味噌汁、鍋物、中華各種、ステーキ等、様々な料理に重宝します。私の好みは賽の目に切ったのとネギとワカメ。シンプルですが基本の味噌汁という気がします。大根、ニンジン、サヨテ、芋、ナスなどをゴマ油で炒めて出汁と味噌または醤油で味付けした処に、これでもかというほどの量を手でもみほぐして入れるとけんちん汁。湯豆腐や寄せ鍋、すき焼き、チゲ鍋にも豆腐は欠かせません。暑いセブとは言えクリスマスから正月にかけての時期の鍋物は年の瀬を感じさせてくれます。ゴーヤチャンプルーにも豆腐を入れるとゴーヤ入りの野菜炒めが本格的な一品になります。揚げ豆腐はあらかじめ作って常備しておくと便利です。3~5mmくらいにスライスしたものは油揚げ、好みの大きさのサイコロ状は厚揚げです。。揚げたてなら生姜醤油で食べれば酒の肴によし、熱々のご飯によし。中華の炒めものや炊込みご飯、青菜と油揚げの煮びたし、白和え、おでん種、味噌汁の具。豆腐、厚揚げ、大根、ジャガイモ、フィッシュボール、玉子などを出汁で煮込めば全てローカル素材のおでんが出来ます。ただの大根の千六本の味噌汁に油揚げを加えるとコクが出ます。青菜と一緒に油揚げもさっと湯がくとおひたしも一味変わります。カレーに入れると黙って出されれば何の肉かなという感じです。 セブの野菜は不味いというのは日本人共通の悩みです。大根はすが入りナスは皮が硬い、カボチャは水っぽい。。。言い出せばキリがありませんが、そんなことを言っても手に入る野菜しかありません。大根はギャンブルみたいなものですが、細くて小さいものでもオロしたり、煮たり、千六本にしてサラダや味噌汁それなりに楽しめます。市場で買ったイワシの塩焼きにたっぷりの大根おろしは格別です。ナスの皮が気になるならば、表面を強火であぶり水で冷やして皮をはぎ和洋中華お好みの味付けで楽しめます。カボチャはスライスして揚げると水っぽさはなくなり、スナックになります。不評な野菜の中でお薦めはサヨテ(ハヤトウリ)、日本でも最近栽培されているようです。味も無ければ香りも乏しく見た目もゴツゴツですが、癖がないので炒め物、和風の煮物、汁物、カレー、漬物、いろいろと使えます。ゴーヤは日本でも市民権を得ていますからゴーヤチャンプルーに限らず、薄くスライスして軽く塩でもむとあっさりした浅漬けになります。梅干しと合わせるとまた結構。青菜の類も癖がないものが多く、炒めたり、煮たり重宝です。水菜がスーパーに並んでいることもありますね。工夫次第でセブの食生活を楽しみまましょう。 

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