新年のご挨拶(池頭稔)
SLPC(Sustainable Livelihood Projects Cebu)は2015年に登録されたNGOです。日本の海外ボランティア支援会社の現地フィリピン人コーディネーターが「自分たち(フィリピン人)が支援する」という意識をもって立ち上げました。
SLPCの活動目的は経済的困難を抱える家族の自立をめざすことです。活動の方法は子供たちの教育支援、そして家族に仕事を提供することです。現在セブ市内の複数のスラムにサポートする家族がいます。
今回の台風オデットでSLPCが支援活動する多くの地域に被害がでました。今回はその中でも大きな被害をうけた沿岸部にあるスラムを中心に支援を継続しています。
このスラムはマクタン島Lapu-lapu cityのBarangay Pajoに位置する先住民族マノボ族が多く住むコミュニティです。マノボ族の牧師夫婦がコミュニティのリーダーになっています。
台風の被害として、牧師によると100世帯以上の家族が家を失いました。家屋がそのまま海に流されたのです。家財道具も一緒に失いました。幸い事前情報を受け住民はスラムの外に避難しており、犠牲者はでませんでしたが現在もセブ州政府などの公の支援は何も届いていません。
コミュニティの教会は2017年に完成した大きな建物です。
基礎がコンクリートでできていたため海に流されることは無かったのですが、建物全体に大きなダメージを受けました。屋根が吹き飛び、外壁も大きな損傷をうけました。この教会がいまコミュニティの人たちのよりどころとなっています。
SLPCは当初SLPCサポーターの人たちからの寄付を使い食料提供や教会修復のための資材を提供しましたが、損傷がとても大きくできることは限られていました。今回日本人会からの支援がコミュニティ復興の第一歩になりました。
日本人会による支援の経過
2022年1月9日海上スラムの住人100世帯への飲料水の配給
2022年1月16日100世帯への飲料水、コメ(1世帯5キロ)、缶詰類の配給、教会修復のため天井部分のトタン板25枚
日本人会によるサポートは教会の修復に大きな支援となりましたが、引き続きこのスラムは大きな困難を抱えています。
コロナ感染のために仕事を失った家族が多いので、今回の台風で家を無くした人たちは自分の力では新しい家を建てることが難しいと言います。現在は教会や周辺にテントを張って避難生活をおこなっています。
彼らの生活支援がこれからの課題であり、SLPCの活動になります。