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屋根はブルーシート、窓はベニア板

屋根はブルーシート、窓はベニア板

台風から1ヶ月、屋根も窓も電気もなくても、地域の人のために奮闘する女性オーナーのインタビュー

こんにちは!

セブ日本人会新人理事の関根です!

2018年からセブ・マクタン島に移住し2020年にセブシティーに越してきました。

現在は日系企業で、オンライン・オフラインの教育事業の立ち上げをしております!

今回は台風で被災している中、マクタン島で地域の方のために奮闘する、ダイビングショップとイタリアンレストラン兼カレンデリアを営む女性オーナー、朝倉千尋さんにお話を伺ってきました!

プロフィール

朝倉千尋さん(以下ちひろさん)

2001年3月にセブ島に移住。セブ歴21年

ダイビングショップ/エルアクアリオ、イタリアンレストラン兼カレンデリア/Reysolのオーナー。ビサヤ語も堪能。

◇台風直撃時の状況

海沿いにあるダイビングショップ件自宅は、台風の風と高波で大きな被害を受けました。(写真参照)防波堤が無くなってしまったため、満潮の時に高波が来て、家の中にバシャ―っと水が入ってきました。膝上まで床上浸水し、飼っている3匹の犬は家の中で水かきしていました。

とりあえず夜が明けるまで待ち被害状況を確認し、愕然としたことは一生忘れないと思います。

自宅の崩壊だけでなく、ダイビングショップに併設している桟橋は波で砕けてしまいました。自社所有の2艘の船も、1艘はかなり深刻な被害でした。

◇足を止めたら気持ち的にも落ち込むじゃない。生きているところは活かして、動いて、

みんなに少しでも活気が出ればいいなって思いました。

17日朝イタリアンレストランReysolに行ってみると、レストラン自体の被害はそこまで深刻ではありませんでした。住み込みの3人のスタッフも無事。もちろん停電はしていましたが、ジェネレーターはありました。地下水のくみ上げもできました。

食材もある。「よし、生きているところはすぐ活かそう」と思いました。

周りのお店はどこもクローズしているので、地域のフィリピン人たちは食材が買えなくておなかをすかせているだろう。出来るだけ早くカレンデリアを再開させようと決めました。

17日中に掃除をし、店を整え、18日にはカレンデリアをOpenさせました。

◇カレンデリアの売上は3倍。マクタン島在住の日本人たちのチャージングステーションとしても開放。

18日にカレンデリアをOpenさせると300人以上のフィリピン人が食べ物や飲み物を求め、来店しました。

中には「なんで無料じゃないの!無料で食べ物ちょうだいよ!」という方もいましたね。

「私もお金が無いよ!家も崩壊して、屋根もないんだよ!」言い返して、一緒に笑っていました。(笑)

カレンデリアは売り上げで考えれば普段の3倍の来客でした。

食材がなくなっては買い出し・買い出しをしては無くなるという無限ループを、バイク1つで行き来しなんとか乗り越えました。

また、Reysolのジェネレーターを頼りに多くの日本人の方も訪れました。

日本人の方にはチャージングステーションとして、電源を貸出ていました。

◇みんながいたから乗り越えられる

正直この台風は20年セブ島に住んでいて、圧倒的に一番キツイですね。

だって、屋根もなく1ヶ月電気がないなんて普通ないですもんね。今までの人生からも考えられませんでしたよ。屋根はブルーシートで、窓にはべニア板をあてがい、電気や水のない生活なんて。でももう慣れました!(大笑い)

この状況も一人じゃなかった事が大きいと思います。

お隣の日本料理店「恒」のオーナーの恒さんと、いつか復興して、観光客が戻ってくる!と毎日励ましあっている事も大きな支えです。

隣人同士だからこそ、毎日気軽に顔を見せあえる。仲間がいるって事も大きいですね。

また、マクタン島在住の日本人の方が充電しにくることによって、みんなが顔を合わせられたのも良かったと思います。顔を合わせるとやっぱり少しホッとするというのもあったと思いますし、情報交換もできますね、助け合う事ができました。

◇最後に・・

このような状況で皆さんとても大変だと思いますが、

一緒に頑張っていきましょう!

ちひろさんと恒さんは年末年始には、日本人のために、おそばやお鍋、ラーメン、お雑煮などの食事を振舞っていらっしゃいました。

まだまだマクタン島ではライフラインがない地域が多く、多くの方が不便な生活を強いられています。

そんな中でも、多くの日本人がReysolに集まって、携帯などを充電し、おなかを満たし、笑顔になっています。

皆さんもいつかマクタン島を訪れた際にはReysolに寄ってみてください。

ちひろさんのはじける笑顔を見たら、元気になる事請け合いです!