2022年から理事を努めさせていただくことになりました(平松貴史)
セブ日本人会理事 平松貴史
2022年になりました。昨年末の台風22号(フィリピン名:オデット)は私たちが暮らしているセブ地域にも大きな被害を及ぼし、自宅以外の場所で新年を迎えた方も多かったものと推察します。
私は今年度からセブ日本人会の理事を努めさせていただくことになりました平松貴史と申します。何分不慣れなもので、至らない点が多くあるかもしれませんが皆様のお力をお借りして頑張りたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
1年前はコロナ禍で迎えた新年であったことから、せめて今年は去年とは違った多少賑やかな形で新年を迎えようと考えていましたが、逆にそれ以上に厳しい年明けとなりました。私はマクタン島のラプラプ市在住ですが、自身への備忘録も兼ねて今回の台風での体験をシェアさせていただきます。
この台風は12月16日(木)夜にセブ地域を通過しました。事前の天気予報でも付近を通過する情報が流れ、私自身も2013年台風第30号(フィリピン名:ヨランダ)の経験をもとに、我が家周辺でも2~3日でライフラインが復旧することを想定して準備をしていましたが、予想以上に被害が大きく、私の想定を超えるものでした。
台風直後、最初に困ったのは手持ちの現金です。普段はクレジットカードでの決済を中心とした生活をしており、コロナ禍になってからは、さらに電子マネーなどを使って、外出を控え、デリバリーサービスなどを頻繁に利用していたので、手持ちの現金は最小限にとどめていたところでした。
台風の影響による停電等で銀行のATMが使えなくなってしまいましたが、カード等の決済ができなくなってしまった状況の中で物を買うにはどうしても現金が必要です。
セブ市内では比較的現金が手に入りやすかったようですが、それでも台風の直後はマクタン島在住者もわざわざセブ市の銀行まで出かけていたようですし、セブ市内の人でさえも朝から銀行のATMに並び、夕方にやっと現金を手にした状態だったとのことです。
我が家の場合は、フィリピン人妻のアイデアで、外国人には敷居が高いかもしれませんが、フィリピンに数多く店舗があるセブアナ・ルイリヤー(Cebuana Lhuillier)などの質店に貴金属を預けることで、何とか現金を確保しました。
その後はクリスマス前にマクタン空港のATMで何とか多少の現金が引き出せるようになり、年末になってようやくマクタン島の一部のスーパーでクレジットカードが使えるようになってとりあえず現金の心配は回避されたところです。
次に水についてです。我が家の周辺は断水が多かったので、生活用水に関しては普段から大きなバケツに汲み置きしており、その他に別途、飲料水を多めに確保していましたが、台風後には生活用水を3日ほどで使い果たしてしまいました。
しばらく飲料水を生活用水に転用したりして1週間ほど凌ぎましたが、長期化の様相を呈してきましたので、新たな解決策を考えざるを得なくなりました。そこで住んでいる敷地内にここ数年使っていない古井戸があったのを思い出し、その復旧を決断。
周辺住民を巻き込み、協力してお金を出し合って修理できたことにより、それ以降、生活用水には困らなくなりました。今では毎朝の井戸の水汲みが私の日課となっています。
なお、飲料水についてはこまめに買い足して家にあるストックを出来るだけ減らさないように努めているところです。ちなみにセブ市内では水の値段がかなり高騰していると聞きましたが、マクタン島では水の値段は比較的安定しているようなのでとても助かっています。
ちなみに、公共水道については復旧の見込みが立っていないようで、周辺では現在でも頻繁に給水車を見かけるところです。
携帯電話の電波に関して、私は日本の会社に所属しておりますが、電波が届かなくなって日本の会社どころか、現地在住の人々とも連絡が取れなくなってしまいました。
台風から約1週間後、たまたまマクタン空港であれば電波(Smartのみ)やフリーWIFIを使ってのインターネット通信が可能だと聞き、そこで何とか最初の連絡ができたところです。
空港以外ではガイサノマクタンアイランドモールでも携帯電話の電波が届いているとのことでした。クリスマス以降は徐々に我が家でも携帯電話に表示されるアンテナが立ちはじめましたが、電話をかけても結局繋がりませんでした。
年明けになって早朝の時間(朝5時とかですが)であれば何とか我が家でもデータ通信が可能になったところですが、限られた時間帯だけのようですので、今でも定期的に空港に行って連絡をとるようにしています。
そして電気ですが、台風が来る直前の12月16日(木)午後7時頃から停電が始まり、年が明けた現在でも、我が家周辺は停電のままです。
携帯電話等の電源を確保するため、定期的に家族総出で早くから電気のあるマクタンニュータウンのカフェや空港のカフェに出掛け、ほぼ丸一日かけて充電させてもらっています。
ソーラーパネルのついた電灯やラジオなども日差しの強いフィリピンでは活躍していますが、クリスマスから年末年始にかけては天気が悪く、その際はろうそくの明かり等に頼っていたところです。
マクタン島でも広い幹線道路沿いでは徐々に復旧し始めているところですが、我が家の電気が復旧するまでにはしばらく時間がかかるのではないかと思われます。
私はセブ在住歴10年目で今回は特に苦労していますが、そんな私でも、セブでの生活が比較的安全で安心できるのは、長年にわたる日本人会の皆様の努力があればこそのものです。
今後も日頃の活動などを通してお互いに助け合いの精神を活かしながら、ますます皆様が生活しやすい地域となりますよう、私も微力を尽くします。改めましてどうぞよろしくお願いいたします。